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艦これをきっかけに少し旧日本海軍に興味を抱いていて、また、戦艦の台所事情はどうなっていたのかが気になり、こちらの本を読みました。著者は戦艦霧島の乗組員をなさっておられた方で、真珠湾攻撃やミッドウェー海戦にも参加されたそうです。


結構前に出版された本ではありますが、とても読みやすく書かれており、また著者による分かりやすいイラストのおかげで一気に読破しました。


日本海軍では炊事や庶務的なことは主計科というところが担当していたそうです。著者は戦闘中もひたすらめしたきにおわれていたそうです。


ただ、やはり海軍のしごきは大変なものだったようです。戦艦等の主力艦は特に厳しく、反対に駆逐艦や潜水艦は人数も少ないことから、人情味がでて家族的な雰囲気があったようです。なので著者は乗る艦が霧島と知ってかなり落胆したそうです。


そのことを読んでなんか今の会社の状況と似ているなあと思ってしまいました。今私が所属している部署はまさに主力部隊で一番の稼ぎ頭の部署なのに、一番きつくしめられていますからね。本当に嫌になってしまいます。


戦艦霧島の裏方でのエピソードはとても壮絶な体験をもとに書かれていますが、よくある戦争もののような重苦しさをあまり感じずに読むことが出来ました。霧島の乗組員が出港後一人足りないと大騒ぎになった後、同じタイミングで停泊していた姉妹艦の金剛に間違えて乗ってしまっていたというのは、後のしごきを考えると笑えませんが、人間味があって面白いと思いました。読んで良かったと思います。



読んでいて一番ハッとした文章は



軍隊は管理社会の極限だというけれど、組織の管理には責任体制が確立していなければならない筈なのに、自分の失敗は部下に黙らせるか、泣き寝入りさせていたのが軍隊だった。(今の社会もあまり変わらないようだが・・・)



の部分ですね。
※この本は1982年に出版されました。


悲しいことに今も昔も組織の本質は変わりませんね.....